Vol37 乳幼児の「鉄不足」について 
管理栄養士 後藤正子

母乳やミルク、離乳食と
毎日のごはんには気をつけているつもりでも、
この食事で本当に足りているのかな…と
不安になることはありませんか。

 

特に見落とされやすいのが、
乳幼児の「鉄不足」です。
実は、体がぐんぐん成長する乳幼児期は、
鉄が特に不足しやすい時期だといわれています。
 
鉄が足りない状態が続くと、
貧血だけでなく、長い目で見た発達にも
影響する可能性があるため、早い段階から
意識してあげることが大切です。
 
今回は、鉄不足になる原因や症状、
対策をご紹介したいと思います。

 

目次

原因

 

 

1:産まれた時の鉄の貯金が減っていく

 
赤ちゃんは、お腹の中にいる間に
お母さんから「貯蔵鉄」を
もらって産まれてきますが、
6ヶ月頃までにほとんど使い切ってしまいます。

 

2:体や脳の成長スピードが早く、鉄の必要量が増える

 
生後数ヶ月から1歳頃にかけて、
体重も身長もグッと増えます。
体が大きくなると血液の量も増えるので、
酸素を運ぶヘモグロビンを作るために
鉄が多く必要になります。
 
また、乳幼児期は脳が大きく
発達し動きも活発になりますが、
鉄は脳の発達や神経の働きにも関わるため、
鉄が不足すると影響が出る可能性があります。

 

3:食べものから十分な鉄をとるのが難しい

 
母乳やミルク中心から
離乳食へ移行する途中段階なので、
食事の量も少なく、
離乳食もおかゆ、パン、うどん、
野菜など「鉄が少ない食品」が
中心になりやすいです。
 
母乳やミルクに含まれる鉄は少ないため、
離乳食を始めるのが遅かったり、
量がなかなか増えないと、
鉄が不足してしまいます。

 

症状

 

 

○体のサイン

 
・顔色が白い、唇やまぶたの裏が白っぽい

・疲れやすい、だるそうで元気がない

・動きが少ない、すぐ抱っこをせがむ

・ちょっと走っただけで息切れしやすい
 

○行動や発達のサイン

 
・ぼんやりしていることが多い

・注意力が続かない、集中しにくい

・些細なことでよく泣く、イライラしやすい

・成長曲線の伸びがゆっくりになっている

 

子どもは自分で
症状を訴えることが難しいため、
大人が子どもの表情や行動の変化をよく観察し、
気づいてあげることが大切です。
 

対策

 

 
毎日の食事や生活の中で、
ちょっとした工夫を続けることで、
無理なく鉄不足を防ぐことができます。
 

○鉄を多く含む食材を増やす

 
鉄には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と
動物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の
二種類があります。
 
ヘム鉄 (吸収率は20〜30%):赤身の肉や
マグロ、カツオ、レバー、
あさりなどに含まれる。
 
非ヘム鉄 (吸収率は3〜5%):ほうれん草、
小松菜、大豆製品などに含まれる。
 
非ヘム鉄はそのままだと
吸収されにくいのですが、
たんぱく質が豊富な肉や魚、
ビタミンCが豊富な野菜や果物と
一緒に摂ると吸収率が高まります。
 
また、鉄は水溶性なので、
ゆでたり煮たりすると
ゆで汁や煮汁に溶け出します。
 
みそ汁やスープのように、
汁ごと食べられる料理にすると
鉄を無駄なく摂取できます。
 

○ レバーの入ったベビーフードや鉄強化食品を活用する

 

 
偏食などで鉄不足が心配な時は、
鉄が強化された市販のベビーフードや
おやつを活用してみましょう。
 
レバーは下処理や加熱が必要で
負担が大きいので、
市販のレバー入りのベビーフードが
おすすめです。
 
鉄を強化した「鉄入りウエハース」や
「ベビー用ふりかけ」
「鉄分強化のクッキー」なども
育児中の親にとって手軽で
便利なサポートアイテムで、
外出先やおやつタイムにも重宝します。
 

 
9か月以降で離乳食が
1日3回になっている場合、
フォローアップミルクを使う事が出来ますが、
母乳や育児用ミルクの代わりに
なるものではありませんので、
離乳が順調に進まない、
鉄欠乏リスクが高い場合に、
離乳食作りに利用するなど、
補助的に使うようにしましょう。
 
乳幼児の鉄不足は、
気づきにくいからこそ
「予防の意識」が大切です。
 
小さな工夫の積み重ねが、
お子さんの元気な毎日と
将来の成長を支えてくれます。
 
今日からできそうなことを
一つだけでも試してみてください。
 
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株式会社サノ・ファーマシー

管理栄養士 後藤正子