納豆の効能 納豆の“ネバネバ”に秘められた驚異のパワー

より詳しく知りたい方は納豆の効能に関する研究調査報告もご覧ください

古くからの伝承をはじめ,納豆にはさまざまな効果が語り伝えられています。医学的に立証されつつあるものから,おばあちゃんの知恵袋的なものまで,納豆の効能をご紹介します。


語り継がれる納豆の効能

  • 納豆食うひと,色白美人。
    (秋田美人)
    納豆中のビタミンB2は肌や粘膜を守る働きがあり納豆を食べつづけると肌が白く滑らかになります。秋田美人のルーツは納豆にあり―
  • うなぎの蒲焼食ったら納豆を忘れるな。
    納豆に含まれている各種の消化酵素が脂肪の多い蒲焼の消化を助け,胃腸の調子を整えます。ジアスターゼの多い大根おろしを薬味に使えば効果はいっそうアップします。
  • 納豆を常用すると結核が逃げていく。
    納豆中の豊富な栄養が体力をつけ,病気に対する抵抗力を強めます。
  • 五月肩こり月,納豆月。
    農繁期の五月になったら,納豆を食べると疲れがたまらないという意味。昔は寒中に感想納豆や納豆漬けを大量に仕込み,田植えの時期に備えました。
  • 納豆の粉末を用いると胃の調子が良い。
    多彩な消化酵素が消化を助け,ネバネバが胃壁をガードしてくれます。
  • 心臓や血管を丈夫にする。
    納豆中に含まれているリノール酸などの不飽和脂肪酸が,血管中のコレステロールを洗い流し,納豆タンパクが心臓や血管の筋肉をしなやかにします。
  • 肩こりにも納豆。
    納豆をすり鉢でよくすりつぶし,わしか木綿布に引き伸ばして患部に貼ります。
  • ねぎをたっぷり入れた納豆汁は,風邪のひきはじめによい。
    ねぎの薬効と納豆のバランスの取れた栄養が合体して体力をつけ,からだを芯から温めます。
  • 腹くだしが起こったら叩き納豆。
    納豆を包んでていねいに叩き,あつあつのご飯にかけて食べます。納豆菌の生長効果を生かしたもの。
  • 根がつき,粘りが出る。
    納豆にはビタミンBのグループがほとんど含まれており,バランスの良いアミノ酸とともにスタミナがつきます。
  • 一月六日の納豆の年取り。
    この日に納豆を食べると万病の根が抜けていくといい,夕方の膳に必ず納豆汁をとります。
  • 納豆は夏負けの妙薬。
    消化の良いタンパク質と豊富なビタミンは,暑さで弱ったからだに体力をつける上で役立ちます。納豆に梅干を混ぜ,よくたたいてから食べるとより効果的。
  • 納豆めしに食あたりなし。
    納豆めしなら酵素によって消化吸収が良くなるので,多少食べ過ぎてもすぐに空腹になります。
  • 納豆どきの医者知らず。
    昔は納豆の仕込みは秋から冬にかけてがシーズンでした。納豆を食べるころになると,体力が充満してきて病気にかかる人もいなくなってしまうというたとえです。
  • 酒を飲むときに納豆を食べると悪酔いしない。
    二日酔いを防ぐ。
    納豆のアミノ酸と豊富なビタミンがアルコールをすばやく分解してくれます。また,ネバネバが胃壁をアルコールから守る効果もあります。
  • カラスのお灸(口角炎)ができたら納豆。
    口角炎はビタミンB2が不足するとできますが,納豆にはビタミンB2がたっぷり含まれているので効果的です。
  • 頭にシラクモがでたらネバがよい。
    シラクモというのは一種の皮膚病で,その病原菌退治には納豆菌が効果的。

大豆の栄養を促進する納豆菌

 良質のタンパク質が35%,脂肪分の20%を含む栄養万点の納豆。しかしその大豆も生のままでは組織が硬く,消化されにくいという欠点がありました。納豆は,この大豆の欠点を納豆菌による酵素分解の働きによって解消した上,タンパク質や炭水化物,脂肪分などといった栄養をそのままに,独自の風味をもつ消化吸収の良い,優れた食品として仕上げられたものです。

ナットウキナーゼによる脳梗塞・虚血性疾患・老人性痴呆症など、血栓疾患の予防

 須見洋行教授(現・倉敷芸術科大学)は、昭和63年(1988年)の農芸化学学会で納豆中に強力な血栓溶解酵素があることを発見し、これを「ナットウキナーゼ」と命名しました。教授は健常な成人に、100〜200gの納豆を食べてもらった後に採血し、血しょう中の血栓溶解活性を測定しました。その結果、2〜8時間にわたって血栓溶解活性が有意に上昇することを認め、納豆が血栓性疾患の予防に役立つことを示しました。

ビタミンK2による骨粗鬆症の予防

 骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムだけを大量に摂取しても顕著な効果はなく、カルシウムを骨に結合させる『γ一カルボキシグルタミン酸』という物質が必要なのです。この『γ一カルボキシグルタミン酸』を体内でつくるためには、ビタミンK2が欠かせません。ビタミンK2は納豆菌によってつくられるもので、あらゆる食品のなかでも納豆に最も多く含まれている栄養素の一つです。東京大学医学部の折茂肇教授はビタミンK2を与えるグループと与えないグループで実験し、比較したところ、ビタミンK2を与えたグループの方が骨密度(骨量)が高くなることを確認しました。また、納豆の消費量が多い地域ほど大腿けい部を骨折する女性が少なく、逆に消費量の少ない関西地域の方が骨折の頻度が高いという『西高東低』の傾向が分かりました。このことから、骨折頻度の地域差には納豆の摂取が大きく関わっている可能性が示唆されています。

血圧降下効果

 血圧を上昇させる働きのあるアンギオテンシンを阻害することは、血圧の上昇を防ぐことにつながります。納豆の中には、このアンギオテンシンの働きを妨げる効果のあることが確認されています。宮崎医科大学の丸山真杉教授は、ラットに納豆から調整したものを投与しその血圧への影響を見たところ、3時間後には全てのラットに血圧の低下が認められました。また、血圧の高い5人の成人に納豆から調整した乾燥物(納豆約200g相当量)を毎日飲ませ続けた結果、5人中4人が降下傾向にあることが認められました。

納豆菌の整腸作用

 納豆菌の腸内細菌に与える影響を見るため、豚やラットに納豆菌を加えた餌を与えたところ、小腸の上部で乳酸菌群が増加したという報告がされています。また東京都立食品技術センターの細井智弘氏は、試験管内で小腸上部付近の内容物様のものに乳酸桿菌ラクトバチルスと納豆菌を加えて、納豆菌による乳酸桿菌への増殖の変化を見ました。その結果、納豆菌を添加することによって善玉菌である乳酸桿菌ラクトバチルスが増加することを確認しました。

大豆の栄養を促進する納豆菌

 良質のタンパク質が35%、脂肪分20%を含む栄養満点の大豆。しかし、その大豆も生のままでは組織が固く、消化されにくいという欠点がありました。納豆は、この大豆の欠点を納豆菌による酵素分解の働きによって解消したうえ、タンパク質や炭水化物、脂肪分などといった栄養そのままに、独特の風味をもつ消化吸収の良い、優れた食品として仕上げられたものです。

納豆の抗動脈硬化作用

 金澤武道助教授(弘前大学医学部)は、動脈硬化形成に重要なLDL(低密度リポタンパク質)の変化は、LDLの過酸化と分子サイズの増大であることを示しました。そこでヒト血管病の予防における大豆タンパク質の役割を調べるため、大豆タンパク質の投与が動脈硬化の形成と関係の深いLDLの過酸化並びに大分子LDLの産生を抑制するかどうかを検討しました。その結果ヒトにおいて過酸化LDLと大分子LDLが動脈血管に対して障害的に作用すること、また大豆タンパク質がLDLの過酸化及び大分子化を抑制することを確認しました。この結果から大豆タンパク質は、心血管病の予防ならびに血管傷害の予防に優れた食物であることが示されました。

 

日本人の栄養所要量及び納豆と他の食物との栄養比較(※数値は目安)

※日本人1人
あたりの平均
納 豆
(糸引き)
大 豆
(ゆで)
豆 腐
(絹ごし)
牛 肉
(輸入牛)

(全卵)
エネルギー(kcal) 2,100 200 180 58 195 162
蛋 白 質(g) 65.0 16.5 16.0 5.0 18.5 12.3
カルシウム(mg) 600 90 70 90 6 55
鉄   分(mg) 11.0 3.3 2.0 1.1 1.6 1.8
ビタミンA(IU) 1,900 0 φ 0 20 640
ビタミンB1(mg) 0.80 0.07 0.22 0.10 0.06 0.08
ビタミンB2(mg) 1.20 0.56 0.09 0.04 0.20 0.48
ビタミンC(mg) 50 0 φ 0 1 0
ビタミンK(μg) - 870 7 4 φ 12
ビタミンB6(mg) - 0.24 0.11 0.06 0.21 0.10
ビタミンB12(μg) - φ - - 2.8 0.9

資料出所:「納豆沿革史」(全国納豆協同組合連合会刊)より抜粋、及び当社資料による


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